浸炭処理

   浸炭焼入れ処理は炉内のCO、N 2 、H 2 を主成分とする吸熱型変成ガス(RXガス)に、ブタン・プロパン等のエンリッチ  ガスを添加した雰囲気中で、鉄鋼材料を900℃前後まで加熱し、材料表面に炭素を浸入させて浸炭し、その後降 温焼入して硬化させる処理です。
   加工性のよい低炭素鋼、低炭素低合金鋼を機械加工し部品形状に成形した後で、表面に硬く強靭な浸炭硬化層を生成することができます。
   また、処理品の内部は適度に柔軟な組織であるため、部品全体としては高い靱性による耐衝撃強度を確保しつつ、表面は高い硬さを得ることができますので、耐摩耗性と耐疲労強度に優れており、通常は相反する「靱性と硬さ」を両立させることができ、自動車部品、オートバイ部品をはじめ、各種の機械部品に広く応用され、最も普及している表面熱処理法です。窒化熱処理と大きく異なる点は、鉄の変態点温度以上に加熱し、処理工程に熱処理の代表手法である焼入焼戻しが加わることにあります。
   弊社はバッチ型浸炭炉を保有しています。バッチ炉では、数10分の短時間処理から20時間以上の長時間処理まで幅広い条件に対応、また浸炭窒化・防炭(浸炭防止剤による部分的浸炭防止)・サブゼロ処理の、特殊浸炭処 理にも対応できる体制を整えています。
   下記グラフは浸炭硬化層の断面硬さ分布ですが、表層付近はHV800と高い硬さを確保し、全硬化層深さは約 0.9mm程度得られています。
表面硬さと硬化層深さは、ご要望に応じて、熱処理条件による調整が可能です。
軟窒化処理と比べて優れている点として、高い硬さの硬化層をより深くまで形成でますので、より高い強度が必 要な部品に有利となります。